2ntブログ
2016
09.10
Sat
 今年の夏に母が他界した。精神的に落ち着いたのと引越等で忙しかったため今更書くが。
 自分は実家から離れて暮らしているので生活が変わる訳ではないが、人生においてはかなり大きな出来事だ。なぜかというと、これで血の繋がった肉親が兄弟だけになったから。この不安感は結構なもので、話をしてみると兄も同じ心境らしい。ただ兄は子が居る ( 現在は離婚 ) ので少しはマシだろう。自分は子はいないので本当に血の繋がった人間が兄弟しかいなくなってしまった。兄の子と自分は血が繋がっていると言えば繋がっているのだけど。
 今実家の処置で兄は忙しいらしい。相続とかの話は全部兄に任せている。お金とか土地とか正直あまり要らない。歳をとって物欲が無くなったのでまず使わないし逆に払う事の方が増えそうだし。今欲しいのなんて「最新の Painter 買おうかなぁ」、「 PC 買い換えようかなぁ」、って感じの "なぁなぁ" な物くらいしかない。それに自分が相続したところで子はいないので、自分が死んだら全部兄 ( 兄が存命でなければ兄の子 ) に戻るだけだし。どのみち裁判所の監視が厳しいらしく、ちゃんと分けないと兄も捕まるので変なことは出来ないらしい。
 逆に、兄とそういう話をしていたとき、兄の子に資産を残すのが自分の使命的な気分になってきた。本家の家系を継げるのが兄の子 ( 娘二人、息子一人 ) しかいないので。なので余計に相続した遺産は使わないし、むしろ自分の給与なども極力貯金して少しでも多く姪や甥に残してやりたいという心境。でも若いうちの方がお金が欲しいと思うので、次からお年玉や入学祝を増額してあげようと思う。
 母の他界は物理的なことより精神的な影響が大きい。死に目に間に合わなかった。こんなことならもっと実家に帰って会ってれば良かったと激しく後悔。親孝行なんてしてないし・・・。
 娘が欲しかった、という母の夢は兄が娘を二人もうけたことで叶ったので親孝行は兄がやってくれた ( 孫だが ) 。ただ孫が出来たときには母は既に喉や腹部にパイプが繋がれた状態で寝たきりだったので、「娘と一緒に買い物や旅行に行きたい」という母の夢は結局叶わなかった。なぜ女手一人で頑張った母があんな苦痛の上で早く死ななきゃいけなかったのかと、兄と二人で誰に向けているのか分からない怒りをあらわに話してた。
 母が買ってくれたものがなんか捨てられなくなった。学生のとき一人暮らしを始めたときに母が買い揃えてくれたものとか。現在生き残っているのは電気ポットと電子レンジくらいだけど。それらもガタがきているので買い直したいが気分的に捨てられなくなった。あとは高校生のときに買ってもらって今も使ってるもうボロボロの財布、成人式のときに買ってもらったもうサイズが合わないスーツ。これくらいしか残ってない。高校の入学祝いで買ってくれたギター、母が他界すると分かっていたら売らなかったのに惜しいことした。
 家電はともかく、後者はもう完全に密封して保管しておこうと思う。自分が死んだ後はこれ身に付けて一緒に焼いてほしいな。
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